商品の説明
本品は、やや厚手のごわごわした綿布を藍染し、少数民族の伝統的な花や葉のモチーフを手絞りで描いた大型マルチ・カバーです。20年ほど前に、中国雲南省で入手し、ときどき眺めた程度で、ほとんど織物用の収納箱に置いていました。
中央には直径 約50㌢で向い合う小さな花弁の大きな円環が描かれ、円環には8つの小さな丸を先にもつ花芯と、白抜きで花芯の核を描きます。花芯の外には、ドーム状の白く浮かぶ花弁をもつ花が描かれます。
大きな円環の外側に、小さな6弁の花が、8つの頂点をもつ王冠飾りのように描かれ、各頂点にからは先の曲がった蔓のようなモチーフが、下に伸び次に上に伸び、隣の頂点に続きます。頂点の先には、小さな細長の輪が見られます。
ミャオ族の神話では、祖先が長期にわたる移動で疲れ切ったとき、梨の花が咲く土地に着き、新たな居住地を見つけたとされ、梨の花はとくに大切にされるモチーフです。花のモチーフには、桜、杏子(アプリコット)、桃なども好まれます。梨の花には、花弁5枚以外にも、6枚の梨も多く見られますので、本品の6枚花弁も梨の花と想定できそうです。
中国南部に居住する少数民族ミャオやペーは、花に囲まれた故郷で生活し、咲き誇る花と花に集まる蝶などをモチーフに用いました。先の曲がった弦モチーフも、見方によっては、蝶の頭とそこから伸びるストロー状の管、口吻のように見えてきます。ミャオの神話は、蝶を祖先とし、蝶のモチーフに繁栄と再生を見るとされます。
布の端で、内側に向かいあった白い小さな花弁が連続し、外側には小さな長方形で、中国の村の端に見られる日干し煉瓦の壁を思い出さて、壁に咲く花が描かれています。布の縁に描かれた二重線の正方形の内側には、細長の葉が枝に繋がるように描かれ、ミャオのろうけつ染めでは、「シダ」のモチーフが用いられますので、本品でもシダと考えられます。
その外側には、16花弁の細長い花が各辺に3つ置かれ、4つの角には、3重になった2枚葉の茎から伸びた名もない花が描かれています。
本品は、藍色の部分を、少し濡らしたガーゼ状の布でこすりますと、微かに青みが出ますので、洗濯時には塩と酢の伝統的な定着方や色止め剤などをお使いください。少数民族の伝統技術を継承し手間をかけられた時期に、丁寧に制作された藍染の絞りモチーフのマルチ・カバーです。
サイズ:縦 約156…
商品の情報
カテゴリー家具・インテリア > ファブリック・カバー類 > マルチカバー商品の状態未使用に近い発送元の地域東京都